旧友と再会

 学生時代の友人であり、同人誌の重鎮、啓さんと久し振りに再会した。

 彼は大学卒業後、ずっと地元のむつ市に住んでいる。都会の垢を落として、すっかり地元に根付いていた。東京は世田谷のアパートで夜通し語り、飲み明かした時代、井の頭公園で大騒ぎしたり、狭山湖で野球に興じた時代はすでに遥か彼方の出来事。お互い老けたね。

 恐山から急いで下山し指定されたむつ市内の店に着くと、すでに啓さんご夫妻が待ちわびていた。ごめん、ごめん、すっかり遅くなってしまった。みのる君夫妻は平身低頭して座敷にあがった。一日で津軽と下北を回るのは無茶と云うものだ、と、たしなめられてしまった。啓さんご一家は龍飛崎から十三湖を1泊2日でのんびり廻ったと云う。みのる君の強行軍とは大違いだ。風が凄かったでしょう。私達が十三湖を訪ねた時は、立ってられない程の風が吹いていたわ。いや、今日は天晴晴天、穏やかな日和でした。北海道も見られたし。みのる君らは運が良かったかも知れない。

 実は、龍飛崎に着いた時点で啓さんに一報しておいた。今、龍飛崎にいるけれど、夕方、ご尊顔を拝しにお邪魔しても良いかな。いきなりの電話に啓さんは面食らったご様子だったが、拒む事もせず、すばやく段取りを付けてくれた。了解。では、ご指定の場所で会おう。知らない土地の知らない店の名前を告げられたが、そこら辺で聞けば分かるだろうと云う啓さんのいい加減な助言に従って、むつ市に着くやたまたま目にしたタクシー会社の営業所で店の場所を聞けば、すぐ裏手にあった。さすが地方都市だ、地元の情報は共有されている。

 ドライブ途中の身の上なので、アルコールは呑めなかったが、啓さんは美味しそうにビールを呑みやがる。先年身体を壊したと云うが、少しのアルコールは問題無いし、晩酌は欠かさないと云う。若い頃は一升ビンを空にする元気があった啓さんも、さすがにこの頃は控え目をモットーにしているようだ。

 海鮮料理を味わいながら、過日の東京での同窓会の報告(北海道の原君の報告書にも目を通していた由。無精して報告書のお礼を出していないと云う。いかにも啓さんらしい)や家族、健康の話題で盛り上がり、あっと云う間に時が過ぎてしまった。

 みのる君達は旅の途中。まだスケジュールが残っているから、のんびりしていられない。突然の来訪でご迷惑をおかけしてしまい、これもみのる君のいつもの強引無礼、許しを願うのみ、深くお詫びを申し上げ、又の再会を約し、午後8時前に店を離れた。啓さんの細君からご丁寧にお土産まで頂戴してしまい、カミサンはすっかり恐縮してしまっていた。啓さん、今度は一緒に呑もうぜ。みのる君と啓さんは固い握手を交わして別れた。

雑記
2009/09/28



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