閻魔様でもだまされる

昨日は世田谷パブリックシアターで「狂言劇場」その六を観ました。
演目は「清水」、「博奕十王」と能楽囃子です。
演者は「清水」の太郎冠者が野村万作師、「博奕十王」の博奕打が野村萬斎師、他おなじみの野村ファミリーの皆様でした。

昨日の演目は面を使うものとして選ばれたもので、「清水」、「博奕十王」共、狂言独特のユニークな面が登場しました。

狂言の面は能の面と異なり大胆でユーモラスな面が多いように感じます。もちろん格調高いものもありますが、狂言の面の方が親しみやすいかもしれません。

狂言では普通の人間の演技は素顔(能狂言では直面(ひためん)という)で演じるので、面をつけるのは今回のように鬼や閻魔大王といった超現実的な者になります。

能では幽霊や鬼は非常に恐れ多い者として表現されることがほとんどですが、狂言ではどこか滑稽で間が抜けた者として登場するため、より現実の人間に近い感覚で捉えられます。

あの恐ろしい閻魔大王がペテン師である博奕打にまんまとだまされるところなどは思わず笑ってしまうと同時に素直な閻魔様がかわいそうになってきます。面がユニークであることがおかしさを倍増しているようにも思えました。

サイコロ賭博で閻魔様は「目は一にせう」と言ってあくまで一の目が出るのにこだわりますが、最初からサイコロには一の目が無いイカサマ賭博なのですから勝てるわけがありません。

萬斎師演ずる博奕打が飄々としているだけに、だまされているとも知らず持ち物すべてを剥ぎ取られるまで賭け続ける閻魔様たちが哀れというか滑稽というか・・・

まぁ現実の社会でも萬斎師のような素敵な方が詐欺師だったら素直にだまされてしまうんでしょうね。

閻魔様でさえだまされるのですから人間が賭け事にのめり込むのも無理はありません。
それにしても閻魔大王はじめ鬼たちは愛嬌があってかわいらしかったです。

文化・芸術
2009/06/28




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