熊谷直実。![]()
祇園精舎の鐘の声、諸行無情の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理を現す。
奢れる人も久しからず、ただ、春の夜の夢の如くで、始まる平家物語での☆平敦盛☆の最後は、西国に追われた平家が、一ノ谷(兵庫県神戸市)まで戻り、陣をかまえましたが、寿永3年源義経が、ひょどり越えから急襲すると平家の軍勢は忽ち敗走しました。
「熊谷次郎直実」は「戦破れになれば、平家の公達は水際の方へ落ちて行くだろう。と考えて磯の方に駒を進めましたが、其処に浪打ちぎわを逃げようとした、
鍬形打ったる兜の緒を締め、黄金作りの太刀を履き、滋藤(しげとう)の弓を持ち連銭葦毛の
馬に乗ってる武者一騎を呼び止め、
熊谷直実が「敵に後ろを見せるのか」と一騎打ちをし、返る処でむんずと組み取り首を欠かんと、兜を押し上て見ると歳の頃16~7才程で薄化粧に染めた若者の顔に我が子の小次郎と似た容貌も、誠に可憐であり、
「名乗りなさい助けましょう。」と言えば
「汝は誰ぞ」との問いに
「武蔵の国の住人、熊谷次郎直実」
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