退職「願」と退職「届」の違い今日は始めて「社労士の仕事」(のようなもの)をしました。労働契約・就業規則と実際の労働条件の相違に伴うトラブルの電話相談でした。詳しいことはプライバシーの問題もあって書けませんが、今後も電話で相談を受けることになりそうです。
相談に答えるためにネット・本などで根拠を調べていると、ベテラン社労士の方であれば当たり前と思われる知識を初めて知ることになりました。それが今日のタイトルの退職「願」と退職「届」の違いです。あまり退職「願」と退職「届」の違いってあまり気にしない方が多いかもしれません(私もそうでした)が、じつは大きく異なるようなのです。
退職「願」は労働者・事業主お互いの合意によって労働契約の解除を申し込むものです。簡単にイメージすると、労働者が「○月○○日をもって退職をしたいと思いますがよろしいでしょうか?」と事業主に伺いを立てて、それに対して事業主が結果的には「いいですよ」と答えるイメージですが、答えるまでにはある程度のクッション期間があります。
退職「届」は労働者の一方的な解約の意思表示になります。イメージとしては」○月○○日に退職します!」という感じでしょうか。この意思表示はかなり強力で、期間の定めのない雇用契約(つまり、正社員としての契約)においては14日間の予告期間を置けば契約解除、すなわち退職可能になってしまいます。これは民法627条第1項で規定されています。
万が一、退職を思いとどまった場合・退職を撤回したい場合においては大きな差となってしまいます。退職「願」の場合は事業主との合意というクッションがあるため、その合意が得られるまでの期間までに撤回すれば撤回可能とされています。一方で退職「届」の場合は事業主の意志に関係なく「辞める」という決意をすでに通知している異常、撤回することはできないとされています。実際には意思表示の問題等もありますので簡単には解決するとは限らず、場合によっては裁判になってしまうこともありえます。
「願」と「届」という一文字の違いでかなりの差を生じてしまうことになりますから、こう言っては非常に恥ずかしいのですが、ちゃんと調べないととんでもないことになるな、ということの勉強になりました。やはり依頼者の利益にかかわらないと実務能力は身につかないのだとあらためて思いました。
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