「蒼穹の昴 -1」を読んで
「蒼穹の昴 -1」(浅田次郎著、講談社文庫、2004/10初版)
どうも中国歴史物小説に嵌ってしまったようである。水滸伝もそこそこに本書も平行して読み始めてしまった。1996年4月に刊行されたものの文庫版である。上下巻を四分冊にした第一巻。
まだ全体の流れがよく分からないのだが、第一巻は、1886年に始まる。
かつて栄華を誇った清国が滅亡に向かいつつある時代。アヘン戦争、アロー号戦争に敗北し、イギリスに香港を割譲、アヘン貿易容認をさせられた。続いて、国内でも反乱が頻発。清仏戦争ではフランスに敗れて、ベトナムも失った。
産業革命で近代化に成功したイギリスを中心とするヨーロッパ諸国の植民地政策。対して、政治・経済ともに近代化を拒み続け、旧態依然とした体制で衰えていくだけの清国。
そんな時代遅れの清国の政治体制を象徴するかのような「科挙」と「宦官」。この地位に就いて権力の階段を登っていくのが本作品の主人公と思われる幼馴染の二人。
もとは高名な占い師の言葉、「汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう。」、「天子様のかたわらにあって天下の政を司ることになろう。」をそれぞれ自分自身の宿命と信じて生きていく。この二人が清国の危機的な状況の中でどんな風に覇道を歩んでいくことになるのか?
そんなストーリーのようである。
第一巻は、梁文秀(リアンウエンシュウ)が科挙試験に一番の成績で合格し、一方、文秀の幼馴染みの李春雲(リイチュンユン)は貧しさから抜け出るために、宦官に身を投じるところで終わる。
著者は、執筆に膨大な取材や調査をしたのであろう。科挙試験についての詳細な記述は、読むにつれて試験の厳しさ、受験者の緊張感を疑似体験させられるほどのものである。一方、宦官になることを浄身というようだが、その手術の様も詳細に描かれ、こちらは男であればなおさらのこと、本能的な恐怖を感じ
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