初めてのお茶事

このたび、師匠の教室開設30周年ということで、『正午のお茶事』を催すことになった。待ち合いから始まる本格的なお茶事ということで、茶道を習って1年の私はわくわくした。

お茶事とは、炉に炭を入れ、懐石料理を食べ、主菓子を頂き、中立ちを経てにぎり口から小間に入り、お濃茶、お干菓子にお薄茶をいただいて、最後に亭主に礼をして終わるというものである。お茶道というのは、その『お茶事』を通じて、美味しくお茶を飲むために食事を楽しむということで、それを行うための礼儀作法を学ぶものである。

お茶道というのは、ただお茶を飲むための稽古ではない。お茶事を行う側(亭主)、招かれる側(お客)が正しい礼儀作法の基で楽しくその場を過ごすための稽古なのである。

私は、今回お茶事を経験して、初めてお茶道の稽古の意味を理解した。本で「お茶事」のことを書いてあってもホンの数ページで意味など詳しく載っていない。稽古しなければ、実際にその場で体験しなければすばらしいということを理解できないのがお茶道の魅力と言っても過言ではないだろう。

亭主は、お客を招くために招待状を出し、その季節に合う棗や水差、掛け軸や茶碗を選び、お花を生ける。お客は招待状を受け取ったら「お招きありがとう」のお礼状を出し、お茶事に必要なもの(袱紗、古袱紗、懐紙、黒文字、小茶巾、ティッシュ、小さなビニール袋)を用意しておく。

お客は家の前の敷石などに水がまかれていて、戸口が少し開くのをまって待ち合いに入り、羽織や余計な荷物を風呂敷に包んでトイレなどを済まし、亭主の差し出したお湯を飲んで待つ。声がかかったら外の腰掛待合に移動して、亭主のむかえつけを待つ。むかえつけがきたら、客は一人づつにぎり口から入って、掛け軸、お花、お道具、お釜を拝見して定位置に座る。

懐石の盆を亭主が運び、亭主とお酒を酌み交わしながらお食事をいただく。でもここでは、亭主は次の料理を盛り付けながらお客と交互にお酒を酌み交わすだけなので、亭主も皆で仲良くお食事というわけではない。自分の椀に入っている料理はキレイに食べなければいけない。最後におこげにお湯が出てきて、お椀をお箸をキレイにしながら食べる。

食事が終わるとお濃茶のための主菓子が出てくる。菓子器に盛り付けてある主菓子をひとりひとり懐紙に取り、皆でいただいた後に中立をする。

お客が腰掛待合でまっている間に、亭主はお濃茶とお薄茶を点てるための用意をして、むかえつけをする。お客はまたつくばいで手と口を清めてにぎり口から小間へ入り、掛け軸、お花、道具、お釜を拝見して定位置に座る。

お濃茶を回し飲みし、お茶碗を拝見して出会いで返し、今度はお濃茶の道具を拝見する。

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文化・芸術
2008/12/14




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