1183年 (壽永二年)5月1183年 (壽永二年 癸卯)
5月1日
「官軍越前に攻め入る」
伝聞、去る月26日官軍越前国(福井県東部)に攻め入ると。
5月3日
「軒廊御卜」
軒廊の御占いありと。鴨御祖社羽蟻出来たる事と。
(注釈)
軒廊(のきろう)・・・正殿に付属する小部屋。
鴨御祖社(かものみおやしゃ)・・・今の下賀茂神社。
羽蟻・・・はあり。シロアリ。
5月4日
「公卿勅使帰参」
公卿勅使帰り参ると。
5月5日
「皇嘉門院月忌」
月忌に依り御堂に参る。
「円宗寺御八講始まる」
この日円宗(天台宗)寺御八講始めなり。上卿参らず。右少将兼忠参りてこれを行うと。
(注釈)
皇嘉門院・・・崇徳天皇の皇后、藤原忠通の長女。
5月12日
「官軍加賀に攻め入る」
伝聞、去る3日官軍加賀国(石川県南部)攻め入りて合戦し、両方死傷の者多しと。
5月15日
「佐保山陵使を立てらる」
今日佐保(さお)山陵(みささぎ)使を立てられる。東大寺大仏焼け損じ、並びに近日修補の事を謝し申さると。上卿大納言宗家卿、参議親宗卿、使座に参着し、先ず時日を定めらる(今日すでに2点)大内記光輔宣命使を進らす。参議親宗朝臣、前和泉(大阪府南部)守季長朝臣(四位)等参向すと。蔵人(くらんど)二人叙爵(じょしゃく)すと。
「院供花」
院の供花例の如しと。
(注釈)
山陵(みささぎ)・・・天皇・皇后の墓所。山陵、御陵。
蔵人(くらんど)・・・くろうど、蔵人所(宮中の雑事)の職員。
叙爵(じょしゃく)・・・始めて従五位下に叙せられること。
5月16日
「官軍越中にて源義仲等と戦い大敗す」
去る11日官軍前鋒、勝ちに乗り越中国(富山県)に入る。木曽冠者義仲・十郎蔵人行家及び他の源氏等迎え戦かう、官軍敗績し、過半死にたりと。
「月食」
今夜月蝕(皆既)。内裏(だいり)に於いて御読経を行はる。上卿は実家卿と。
(注釈)
内裏(だいり)・・・天皇の住居、御所、皇居。
5月17日
「八幡奉弊使を立てらる」
この日八幡の奉弊使を立てられ、東大寺の大仏焼け損じ、並びに近日修補の事を告げ申さるるなり。上卿権大納言実房卿、先ず日次の定めあり。大内記光輔宣命の草を進らす。行事の弁は右少弁兼忠、使は権中納言実宗卿と。
(注釈)
奉弊使・・・勅命によって奉幣を神社などに奉献する使者。
5月19日
「最勝講初日」
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