NO.12 内部統制報告制度新任監査役:日経新聞で、内部統制報告制度について「点検!内部統制元年」ということで(上・下)の二回の記事が出ていましたね。
先輩監査役:昨年の三月期から始まった「内部統制報告制度」の件ですね。当社も一昨年からプレテストをしたり、準備をしてきましたが大変でした。
新任監査役:提出を怠った場合は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金の一方(もしくは両方)が課される。また法人に対しては5億円以下の両罰規定がありますからね。
先輩監査役:罰金よりも企業の信用にも関わりますからね。大きく言えば、日本の上場企業の財務諸表の信頼性向上につながることですからね。
新任監査役:このキッカケで問題が見つかっていますね。セイコーエプソンのブラジルとメキシコの子会社、IHI、ジーエス・ユアサコーポレーションなど、しかも公表されるのですね。
先輩監査役:この制度がキッカケで問題が見つかったなら、それはそれで良いことです。しかし、一方、多くの人手と費用を掛けて、形だけ整え、トップが問題なしと報告し、会計士が監査して、有価証券報告書に添えて提出するだけでは、つまりません。
新任監査役:それに監査法人への監査費用が50%から80%も増えているのですから費用対効果を考えないといけませんね。
新任監査役:ところで、ビックカメラは、本来計上すべきでない売却益を計上していたと宮嶋宏幸社長が「コーポレートガバナンスが欠如していた」と謝り、創業者の新井隆二会長は引責辞任したと報じていますが。
先輩監査役:これは有価証券報告書に虚偽の業績を記載した疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が調査に乗り出したのですよ。虚偽の業績をもとに公募増資を行い、東証1部への上場も果たした。ビックカメラはこれだけでなく、昨年6月には、東京国税局から約3億円の所得隠しも指摘されている。
新任監査役:東証1部企業だからと信用して、取引したり、株を買いますから虚偽記載は悪質ですね。
先輩監査役:報告書は「元社長と法人の区別がされず、適正な会社運営をしていたとは評価できない」と指摘しているようですが、公私混同ですね。
新任監査役:正確な財務諸表は、経営者が会社を適正に統治することが前提なのですから、経営者の意識が緩んでいては、コーポレート・ガバナンスも機能しにくいということですね。
先輩監査役:記事で新日本監査法人の紙谷孝雄・統合監査品質管理部長が言われていますが「経営者自身が意図的に不正をした場合、内部統制による解明には限界がある」のですよ。
新任監査役:取引先と口裏を合わせた契約書や伝票
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