台湾紀行⑰「本日の私の主成分」「滞在17日目」
異国の地での闘病生活も3日目に突入した。
台湾独特のネットリとした空気が、微熱を帯びている体に妙にへばり付く。
そんな私の体は、ここ最近「クスリ」に蝕まれている。
何せ「パブロン」と「バファリン」を貪るように飲んでいるのだから。
何か行動を起こす気力もないが、さりとてずっと寝ている程衰弱もしていない中途半端な私は、空港で購入した漱石の「こころ」を読み始めた。
「こころ」は高校で習って以来、数年スパンで読み返す程好きな作品。
その時その時で感じ方が面白いように変化する。
半端病人の私は、暇人パワーで一気に半分まで乱読した。
読んだ事のある方ならわかると思うが、これは途中から自殺した通称「先生」の「遺書」となる。
正直、異国の地で衰弱している私には重過ぎた…。
あんなに大好きな作品が、こんなに重くのしかかって来るとは!
本を閉じた時点で、早くも夜の8時。
この日、一食もとっていない事に遅ればせながら気付いた私は、這うように外出した。
在台以来、一度も日本食と縁が無かった私がどういう訳か「吉野家」へ。
最近日本でも米産牛が解禁になった事もあり、ようやく牛丼が復活したが、果たして台湾吉牛は!?
こちらの吉牛はセットのみで、牛丼にジュースと小皿(オクラの小鉢など)、それとオプションで生卵を付けて105元(約420円)だった。
味も若干日本のそれに劣るものの、普通に美味しかった。
ただ紅生姜が刻み生姜でなく、寿司の「ガリ」を甘辛くしたようなものだったのが残念だった。
「パブロン+バファリン+牛丼=未だ絶不調」
本日の私の主成分。
いくらバファリンの半分は「優しさ」で出来ているからといって、そうそう甘えてもいられない!
明日こそジャンクな生活から抜け出さなければ。
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