世田谷パブリックシアター『アンデルセン・プロジェクト』(メルマガ記事)

ご無沙汰しています。6月はロンドンに野田秀樹の新作"The Bee"を観に行ってきました。そちらはおいおいご報告するとして、とりあえずココログのメンテナンスも完了したので、ブログの更新復活、というつもりで、日外アソシエーツのメルマガに書いた記事の転載をいたします。6月はロンドン行きもあり、日本で見たのはこの一作のみとなりました。7月にはいってからは、8日にパルコ劇場で「ウィー・トーマス」を観ています。これも非常に面白かった。今週からは、またいろいろ見始めます。

■ 「さあ、比べて観てみよう。」---ルパージュ版・白井版『アンデルセン・プロジェクト』

外国語で演じられる演劇を字幕つきで鑑賞する場合と、同じ演出だが日本語で演じられているのを鑑賞する場合では、どうやら脳の使い方が全然違っているらしい。そんなことに気づかせてくれる貴重な企画が世田谷パブリックシアターで行われた。

映像表現を舞台に巧みに取り入れた演出が「ルパージュ・マジック」とまで称される、カナダのアーティスト、ロベール・ルパージュが、作・演出の一人芝居『アンデルセン・プロジェクト』を自身の出演で上演したのに続き、同年齢でやはり劇作・演出・俳優をこなす日本の演劇人、白井晃が、ルパージュの演出のもと、この一人芝居に挑戦したのである。

『アンデルセン・プロジェクト』は、アンデルセンの『木の精ドリアード』や『影』をベースにしながら、2005年のパリに、子供向けオペラの脚本家としてやってくるカナダ人のフレデリックとオペラ座のプロデューサー、そして北アフリカ系移民の青年(彼は声も出さず顔も見えないのだが)を主な登場人物とする物語である。彼らは様々な意味でアンデルセンの分身であり、それも、実は子供嫌いだとか、火事を異様に恐れていた、など、知られざる、人間臭い側面を引き継いでいる。と同時に主人公フレデリックはルパージュの分身でもあろう。戯曲は重層的で、人物やセリフや出来事が様々に響きあう。すぐれた作品だ。もちろん映像を多用した「ルパージュ・マジック」も健在である。

ルパージュ版ではさらに多言語の魅力が俳優の力として加えられる。カナダのフランス語圏、ケベック出身のルパージュは二つの言語を器用に使い分ける。特に、オペラ座プロデューサーが、どうあってもフランス語にしか聞こえない発音の英語で数分間早口でまくしたてた後には客席から拍手が起こったほどだ。そのルパージュにして、北アフリカなまりのフランス語は模倣できなかったようで、それが移民青年がしゃべらない本当の理由なのだそうだ。

白井版は多言語をどう反映させるのか、と期待もしたのだが、特に何かのなまりを使うという小細工はしておらず、標準的な日本語であった。もちろんキャラク

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2006/07/18



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