Robbin - コドモノチカラ - (4)「別に、罪悪感などありませんよ」
高木壮一郎は、女性レポーターのインタビューに、毅然としてそう
答えた。
「後ろめたいことをしているわけじゃない。社会奉仕の一種ですよ」
今や、高木壮一郎が率いる高木グループは、医療法人をベース
にした世界的な総合企業となっていた。この男の一挙手一投足に
世間の注目が集まっており、時代の寵児ともいえる存在である。
「この世界中で、臓器移植のおかげで命を救われた人はたくさんい
ますよ。自分の死をすぐそこに意識しなくてもいい健康な人たちは、
臓器移植は罪悪だと言うのかもしれない。でもね、自分や自分の愛
する人が死に瀕していて、臓器移植という手段が残されているのな
ら、そんなに簡単に生をあきらめることができると思いますか」
高木壮一郎は熱く語り始めた。両手でオーバーアクションを取りな
がら熱弁をふるうたび、そのダイヤをちりばめた左手首のロレックス
が妖しく光る。話し相手のうらやましげな視線が一瞬そちらに注が
れるのが、彼の優越感をくすぐる。
「みんな、死ぬわけにはいかないから、仕方がなく臓器移植を受け
るんです。その臓器移植のお手伝いを、私達はしているんです。た
しかに移植で使われるのは、もしかしたら万にひとつの可能性とし
て、おっしゃるように元は臓器売買による臓器だった可能性がある
のかもしれない。だが我々は、闇の組織を相手にしてるわけじゃあ
りません。この商売は信用を失くしたら成り立たないですからね。正
当なものであるという確証のもと、この国際ビジネスを行っています」
「臓器の入手元はどのあたりからですか」
「それは企業秘密です。ノーコメント」
「海外での臓器移植を希望される人に、高額で斡旋しているという
噂を聞きますが」
「根も葉もないうわさ話でしょう、馬鹿馬鹿しい」
「来週インドに海外出張される、という噂をうかがっていますが」
「さあ、知りませんね。それが、何か」
「臓器、特に腎臓の買い付けではないかと」
「失敬な!」
それ以降、高木は一言も喋らなくなった。明らかに気分を害している
のがわかり、カメラがいったん止められた。女性レポーターは困り果て
て、横のプロデューサーを救いを求めるような目で見つめた。
「申し訳ありません、ご気分を害されてしまわれましたでしょうか」
「当たり前でしょう。こんな内容を放送するんですか」
「ええ、まあ…最近の医療
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