モモのこねこ「モモのこねこ」
やしまたろう・やしまみつ 作
やしまたろう 絵
偕成社 本体1400円
とてもなつかしくうれしい気持ちがします。というのは、この本は以前他の出版社からでていて、私の好きな絵本だったからです。少し版型が変わって、色が澄んできれいになりました。文も遺族の了解を得てすこし変わっているそうですが、前の本が残念ながら手元にないので、どう変わったかそれはわかりません。
この絵本のモモは八島夫婦の娘です。教育の原点を描いていると評価の高い「からすたろう」はひところ有名になりましたが、私はこの季節になると読むことが多い「あまがさ」(福音館書店)も好きです。幼い子どもがひとりで傘をさす、雨はその子どもの心のようにリズムが響きます。矢島太郎も光も暗い日本で反戦運動をして、追われるようにアメリカに渡りました。1943年に出された「あたらしい太陽」を読むとあの時代を生きた日本人美術家の苦悩をたどることができます。
モモは小さな子ネコを拾い日本式にニャンニャンと名前をつけて育てます。やがてニャンニャンはおかあさんになり、モモに拾われた時のように子ネコを産みます。イスで寝ている小さなニャンニャン、お母さんになったニャンニャン、おっぱいを飲ませているニャンニャン、世界中で一番美しいネコになったニャンニャンの表情は柔らかく優しい、1961年に描かれた絵本はきびしい時代を生き抜いて来た人の命の讃歌に溢れています。
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