出来たことを数えて前進する

やらなければいけない色々な仕事がたくさん重なってくると、「これもまだ出来ていない、あれもまだ出来ていない、それもまだ…」と考えてゲンナリすることがある。実際、以前までの私には、そんなことが、これまで度々あった。

しかし最近の私はそれをやめて、逆に、まずは「出来たことを数える」ことにした。具体的に言うと、日記に「今日出来たこと」を書いていくのである。そうすると、次の日をとても明るい気分で迎えることができるようになってきた。そんな毎日が、最近ずっと続いている。

それなら何故、以前の私はそれをしなかったのかというと、「まだ出来ていないことがたくさんあるのに、出来たことを数えて安心すると、能天気になってしまって、前に進む意欲が薄れてしまうのではないか」と心配していたからであった。言い換えれば、「まだ出来ていない」という一種の“危機感”がないと、怠けてしまうのではないか、ということである。

ところが、実際にまず「出来たこと」を日記に書くことを始めてみると、「前進を妨げるような“思い上がり”につながるのではないか…」という心配は全く無用だった。そうではなく、まったく逆に、むしろ「まだ出来ていないこと」も、「これまでに出来てきたこと」と同じように、「きっと出来ていくに違いない」という確信が生まれ、かえって前進する意欲がこんこんと湧いてくるのである。

たしかに、「これからしなければならないこと」は、「これまで出来てきたこと」とは違い、何かしら新しいことなので、今後為すべきことが、以前と完全に同じやり方で実現できるわけではない。新しいことへのチャレンジは、人生を生きていく以上、つねにつきまとう。

しかし、だからといって「まだ出来ていないこと」をあまりに心に強く印象づけてしまうと、「出来ていない」「まだ出来ていない…」という印象ばかりが心を占領してしまい、そうなると、「以前に達成できたはずのこと」までもが、なぜか心の外に追い出されてしまうのである。

たとえて言うなら、「すでに出来たこと」を白とし、「まだ出来ていないこと」を黒とすると、「まだ出来ていないこと」(=黒)をあまりに心に強く印象づけてしまうと、いつのまにか、その黒色で心が全部占められてしまい、同時にあるはずの心の白色=「すでに出来たこと」までもが、意識の外へ消えていってしまう。要するに心が「暗く」なってしまうのである。

このたとえで言うなら、心のなかには「黒」と「白」が同時に併存していてもよさそうなものである。にもかかわらず、なぜか心は「黒」一色に染められてしまう。「黒」と「白」という相反するものを同時に心で認めることは、心理的に言って、非常に難しい。そこで、いつのまにか、黒一色で心を染め上げてしまうの

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その他 随想一般
2009/02/13



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