江戸の男色は、信義と意気地を重んじた!

 いよいよ、39年前、1970年(昭和45年)1月11日の朝、33歳の若さで、風呂場で酸欠死した女房の舞踏家、伊藤ミカ(本名・君子)と、僕との出会いから亡くなるまでの15年間を描いた本が、彩流社から出版される。

 タイトルは、「裸の女房 60年代を疾風のごとく駆け抜けた前衛舞踏家・伊藤ミカ」(定価2100円)という本だ。

 僕にとって、ここ4〜5年は最悪の出来事ばかりが続いての中で、執念を燃やして書き上げた本だから、なんとしてもヒットさせたい思いにかられている。

 小学館の営業畑で活躍し、定年で退職されたU君が、世田谷学園の後輩にいることを思い出し、本を売る秘訣を聞きたいと電話をかけた。

 5月3日に近所の喫茶店、「邪宗門」で会う約束をした。「伊藤さんに会わせたい、友人も連れて行く」ということだった。

 当日、僕は夕方の4時と思い込んでいて、女房とドライブして帰ってきて、留守電を聞いたら、「邪宗門」のマスターの声が入っていて、「お客さんがお待ちですよ」と。カレンダーを見たら、1時と書いてあるではないか。あわてて駆けつけたら、友人も一緒だったので、2時間も待っていてくれた。

 その友人というのは、世田谷学園の同期生の秋山忠彌さん。早稲田大学の法学部出身でNHKチーフディレクター(時代考証調査担当)を経て、江戸史の研究家でもある。「江戸諷詠散歩 文人たちの小さな旅」(文春新書、本体720円)と、「大江戸浮世事情」(ちくま文庫、本体740円)という著書を2冊プレゼントしてくれた。

 Uさんからは参考になるような話は聞けなかった。小学館という大出版社の看板をしょって書店周りなどをしていたのだろうから、書店の人も応対が違うだろう。小出版社の営業が書店を訪ねても話を聞いてくれないかも。

 秋山さんから頂いた「大江戸浮世事情」をパラパラと頁をめくっていたら、「信義と意気地の男色道」という見出しで、いい話が載っていた。

 「江戸は谷中の門前町に、ひっそりと侘び住いする二人の老人がいた。夏のある日の夕方である。行水をつかう老人の後ろ姿を、もう一人の老人がつくづくと見て、『こうも変わるものなのか』と体のしわを嘆いて涙ぐみ、二人は若かったことの昔を思い、手に手をとって悲しむのだった。そんんあ様子をかいま見たある人が、どんな事情があるのかたずねてみた。
 二人とも生まれ故郷は筑前福岡の城下で、一人は玉島主水といい、博多小女郎ではと疑われるほどの美少年だった。もう一人は豊田半右衛門といい、武芸の達人だった。この半右衛門が、主水に深い思いをかけると、主水もその気性に惚れこみ、二人は衆道の契りを結ぶ。ときに主水が16歳、半右衛門

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2009/05/31



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