節税への甘い幻想昨日は、事務所で一日中、調べものや資料の作成など。夕方、社外役員を務める法人の役員会議に出席。
3月決算が一息ついたあと、ある依頼主からの相続・事業承継対策にとりかかっている。
最新の文献にあたりながら説明資料を作成しているが、税理士という職業柄、「節税」と称される文献には自然と体が反応する。
私がこれまで調べて来たなかでは、厳密な意味で節税になる手法はほとんどないといっていい。それでも新しい手法があるのかと、最新の文献を集めてみるが、やはりロクな節税本はない。
それにもかかわらず、「決して税理士は教えてくれない」だの、「税理士が必ずしも専門家とはいえない」だの、同業を批判することで世の注目を集めたい輩が多い。
同業を批判する営業手法そのものは、決して珍しいものではないが、問題は中身だ。
未だに「土地を有効活用するために、アパートを建てて賃料収入を得ましょう」だとか、「養子縁組で控除額を増やしましょう」というような節税(?)手法を進めてくる本がよくある。
アパートを建てて賃料収入を得るというやり方は、地方においてはすでに多くの事案で破断している。空き部屋の増加で、入居者募集に苦慮している物件が多発している。
不動産はあくまで、業として成り立つかの判断が必要。不便な場所の農地をつぶしてアパートにしても、誰が入るのか、という冷静な判断抜きに、「節税になるから」という税理士と、それに結託したハウスメーカーの甘い言葉をまんまと信用した地主は少なくない。
「養子縁組で控除を増やしましょう」というアドバイスも、頭がどうかしているとしか思えない。「税」だけをみて、その家族のことを考えていない。
養子縁組は、あくまで必要があってするものであり、たかが節税のために家系を乱してまで行うものではないことは、常識で考えれば当然の理だと思うが、専門家を自称する節税アドバイザーには社会常識が欠落していて、わからないようだ。
本の名前を出して、一つ一つ論破してやろうかとも思うが、時間の無駄だからやめておくが、税の分野にはひどい本がたくさんあるということだけは知っておいていただきたい。
私の基本方針は、「節税」よりも、「キャッシュフローの最大化」。つまり、税を減らすことよりも、うまく税金を納めながらも、手元現金が一番増えると思われる方策を考えること。
税が増えるということは、それだけ資産や収入が増えるということ。実に単純な論理だが、これが一番強い。
前にも書いたが、税法は東大法学部を優秀な成績で卒業した財務省主税局の連中が作った法体系。これに戦後60年以上もの実例
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