内部統制報告書が出ました 6月26日までに,内部統制報告書が各地の財務局に提出された今年3月期の上場企業は約1980社。うち30社が「重要な欠陥がある」と自ら報告した。(6.26朝日)
「重要な欠陥」とは,有価証券報告書の誤り,いわば粉飾決算にもつながりかねない不備が社内にあることを認めたもの。「重要な欠陥」報告をいくつか探して紹介したい。
セイコーエプソン 中南米3社で,不適切な経理処理が行われた。子会社を統轄する本社の「傘下会社に対するモニタリング」が適切に行われなかった。事業年度末までに問題が是正されなかった理由は,社内調査委員会による調査,事実解明,改善策立案,改善策実施が間に合わず内部統制の有効性を確認するに至らなかった。ただし,連結財務諸表の監査に及ぼす影響はない。
岩崎通信機 子会社のマレーシア(株)は国際会計基準に基づき財務諸表を作成しているが,新基準適用に伴うリスクの正しい判断が出来なかったため,現地通貨からUSドルへの換算手続での適用上の誤りが独立監査人に発見され,連結財務諸表の修正を行った。
ビジネスブレイン太田昭和 内部統制が有効でなかった。子会社の繰延資産の取り崩しの検討,認識が不十分であった。繰延資産の回収可能性の判断を誤り,それに対する牽制が充分に機能しなかった。ただし,会社が検討して,修正の結果は連結財務諸表に表示されている。
広島ガス グループの広島ガス開発,広島ガスリビングの管理者のリスク管理責任が不足し,取引の実在性に疑義を持ちうる状況(循環取引)があるにも拘わらず,その確認をしていないなど,対応が不十分であった。さらに前社は,1人の担当者が社外取引のすべてを対応するという自己完結的取引の状況が続いており,これを発見できなかった。管理部門から営業部門に対するモニタリングが行われていなかった。
本社も子会社職員に対するコンプライアンス意識醸成のための取り組みが不足していた。重要な後発事象としては,会社に対し,損害賠償訴訟が提起されていること。
内部統制監査人は,重要な欠陥があるため有効でないと表示した内部統制報告書が,財務報告の内部統制の評価の基準に準拠して,重要な点において適正に表示していると認める。
追記情報として,連結子会社2社の不適切取引は重要な欠陥に相当し,売上高,売上原価に重要な修正を行っているが,過年度の会計の監査が未了であるので,財務監査意見は,監査範囲に除外事項を付した限定付意見としている。
ダイオーズ 「運用保守管理規定」の運用が不十分で,コンピューターの保全手続にかかる内部統制に重要な欠陥があった。ただし,会社が修復済みであり,財務諸表に影響はない。
紀州製紙 重要な欠陥の金額的重要性の判断基
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