ライブドア判決(続) 米国は金融危機の再発防止に向けた金融規制改革に本格的に乗り出した。改革案では証券・保険会社を含め,金融システムに重大な影響を及ぼす大手金融機関の監督権限を米連邦準備理事会FRBに集約する。リーマンブラザーズやAIGなどの銀行以外の金融機関の経営についてもFRBが規制する。預金を集めない証券・保険会社が複雑な金融取引を手がけていると,破綻したとき金融市場に大きな影響が出る。証券・保険の持ち株会社は経営名用が複雑で,傘下の単一の会社のようには監督しきれない。金融機関の連鎖破綻を防ぐためにも,金融システム全体をFRBが監視できるようになる。もし破綻が避けられないときは,悪影響を抑えるため円滑に処理する制度も設ける,という。(日経6.18)
注目したいのが,次の点。むりな貸し出しを防ぎ,損失に耐えられるように大手金融機関を中心に自己資本規制を強化し,破綻に備えた保険の一種CDSなど,これまで規制から漏れていたリスクの高い金融派生商品を監視下に置くこと。また,貸出債権を小口化する証券化商品にへの規制も強化する。投資家に転売すれば危険を回避できたため,信用力の低い借り手に安易な融資をして住宅バブルの破綻を招いた反省を踏まえ,証券業務をする金融機関にも債権の5%を保有させてリスクを認識させることにするという(尤も,なぜ5%かは不明)。金融商品を利用する消費者を保護する金融消費者庁も創設し,FRBの権限の一部を移して金融機関の営業・商品設計何度にも介入するそうだ。
なるほど,持ち株会社の監督は難しい。問題は、「法的責任主体と対社会的責任主体が一致していない」ことである。日本では親会社が日常的に子会社を支配し利益を吸収しているが、子会社の債権者に対して親会社取締役は商法上責任を負っていない。また、子会社取締役が債権者に対して直接責任を負うことはありえない。株主代表訴訟により子会社取締役が責任を負う可能性はあるかというと、株主は100%親会社だから、それもありえない。さらに、親会社の株主が子会社取締役に対して代表訴訟できるかというと、彼らはあくまで親会社の株主ゆえ、その権利をもたない。要するに、日本の現行商法上、持株会社は法的責任隠蔽のためのシステムでしかない。持ち株会社のメリットを活かすためにも、欧米並みの企業結合法制の整備が急務である(上村達男 早大法学部教授)。
日本が米国と違うのは,金融・証券・保険の監督は金融庁が行い,日銀ではない点。中央銀行が監督をするのが世界の潮流になりつつあるが,日本で金融機関監督権限を持つのは金融庁であり,その面での日銀の独立性はない。金融庁がしっかり監督できていてば,権限委譲も必要ないことになるが,それだけ機動的に監督しているだろうか。とりあえず,来月,上場企業が提出する内部統制監査報告書を金融庁が
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