ライブドア株式一般投資家訴訟1審判決5月21日東京地裁商事部判決は,ライブドアの株式を購入して損失を被った一般投資家に対する会社,取締役,監査役,監査をした監査法人と所属の公認会計士の損害賠償責任を認めた。また,東京証券取引所規則に基づく「適時開示」において虚偽公表が認められるべき場合を指摘し,公表した会社,取締役,監査役,監査をした監査法人と公認会計士の損害賠償責任を認めた。判決の論点が多いので,分けて考えよう。
前段の問題は,有価証券報告書に掲載された連結損益計算書に約3億円の経常損失が発生していたにも拘わらず,売上計上が認められない株式売却益等を連結売上高に含めて,連結経常理系約50億円が計上されていたから,有価証券報告書の「重要な事項」の虚偽記載が認められると言うべき場合である。報告書を提出した会社,取締役,監査役,監査法人,公認会計士は証券取引法,商法又は不法行為により,会社の株式を取得した者に対し,損害を賠償する責任を負う,というもの。
上場企業の有価証券報告書は毎年金融庁に提出され公表されて,株式評価の決め手となり,その後の株価をも形成する。その報告書の「重要な事項」に虚偽記載があり,投資家の判断を誤らせる結果を招いたときは,過失の有無に拘わらず,虚偽記載という結果につき責任を負っている。本件は,ライブドアと連結子会社が,関東財務局長に提出した平成16年9月期の有価証券報告書の重要な事項に虚偽の記載があり,ライブドアがした株式交換の公表,平成16年12月期の業績公表に,虚偽の内容があった。
ライブドアは投資事業組合を通じてその株式を売っていた。実質的にはライブドアの子会社が売っていたと認められる。なぜなら,投資事業組合は子会社が直接ライブドアの株式を取得,売却したときのインサイダー取引や親会社株式取得規制の問題を回避し,かつライブドア株式の売却により生じる利益をライブドアの連結売上に計上するという目的のために作られ,ライブドア(100%出資のライブドアファイナンス)の支配下にあり,組合契約書に記載された出資者の出資は現実には行なわれていなかった。したがって,投資事業組合を利用したライブドアの株式の売却は,実質的にはライブドアファイナンスが行ったものである。そうすると,子会社によるライブドア株の売却益は親会社の処分差益となるべきことろ,ライブドアの連結損益計算書上,売上として計上することは認められておらず,「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」に反する。企業会計原則の「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準」に反する。それは,連結子会社が親会社の株式を処分した場合,連結損益計算書に処分差益を計上せず,連結貸借対照表の資本の部の「その他資本剰余金」に計上すべきものとしている。この会計基準論が第1の論点。
自己株式売却
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