住民訴訟の弁護士費用 住民訴訟の弁護士費用には随分考えさせられることは,11月18日のブログで指摘した。
4月23日,最高裁第1小法廷は,自治体が発注したゴミ焼却場の建設工事を巡り,談合で不当に価格をつり上げられていたとして市民が工事を受注した会社などに賠償を求めていた3件の訴訟で,企業側の上告を棄却する決定をした。これで,5社に対し計67億円の賠償を命じる判決が確定した。3件の訴訟は,横浜市,神戸市,福岡市の発注工事を巡って起こされたものである。賠償を命じられたのは,日立造船,タクマ,川崎重工,JEEエンジニアリング,三菱重工など。
さらに注目すべきなのが,同じ日の第一小法廷判決。勝訴した住民が自治体に請求できる弁護士費用についてである。宇治市からの受注工事をめぐる談合事件で勝訴した住民側が,市に弁護士費用1500万円を請求した事件で,最高裁第一小法廷は,企業に1億3千万円以上の賠償が命じ、宇治市が既に9500万円を回収していることなどが考慮されていないと指摘して300万円に減額した高裁判決を破棄。京都地裁の900万円の支払いの判決が確定した。小法廷は「訴訟の難易、弁護士の労力の程度や時間、認められた賠償額や回収できた額などを考慮し、総合的に判断すべきだ」と判示した。
判決は,大切な論点に触れている。
地方自治法242条の2第7項にいう「相当と認められる額」とは,住民訴訟において住民から訴訟委任を受けた弁護士が訴訟のために行った活動の対価として必要かつ十分な程度として社会通念上適正妥当と認められる額をいい,その具体的な額は,訴訟の事案の難易,弁護士が要した労力の程度,時間,認容された額,判決の結果普通地方公共団体にが回収した額,住民訴訟の性格その他諸般の事情を総合的勘案して定められるべきである。
判決認容額は1億3000万円を超え,判決の結果,京都市は9500万円を回収しているから,弁護士報酬の「相当と認められる額」を定めるに当っては,これら認容額及び回収額は重要な考慮要素となる。
住民訴訟の目的,性質を考慮したとしても,原審のように,一般的に,従たる要素として他の要素に加味する程度にとどめるのは相当ではない。原審は,事案が易しいとか,訴訟追考に当たり労力の程度及び時間がかなり小さいものであったなど,「相当と認められる額」を大きく減ずべき事情については何ら説示しておらず,むしろ,受任弁護士らは訴訟追行に相当の労力を要したことが推認される。原審は「相当と認められる額」とすべき合理的根拠を示していないから,法242条の2第7項の解釈適用を誤ったものである,と。
補足意見もあり,その一つは「相当と認められる額」とは,弁護士活動の「対価として必要かつ十分な程度として社会通念上適正妥当と認められる額
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