北朝鮮の核兵器阻止は不可能 5月25日北朝鮮はアメリカのメモリアル・デーに合わせるかのように二度目の核実験を強行した。今日(5月30日)、国連の制裁決議を牽制するかのように、金正日政権は再度ミサイル実験を実施する兆候を見せ始めた。まさに北朝鮮と国際社会とのチキン・ゲームが始まった。ところで北朝鮮は誰とチキン・ゲームをしているのだろうか。
北朝鮮は核兵器を振り回しながら、一体何を求めているのだろうか。アメリカとの平和条約なのか。アメリカとの平和条約を締結し、金正日体制維持の保証をとりつけることだとよく言われる。では、それに対してアメリカはどのような政策を望んでいるのだろうか。何よりも北の核兵器の放棄であるというのが通説である。では、ここで冷静に考えてみよう。北朝鮮が核兵器を保有することでアメリカの国益にどのような影響があるのだろうか。実は、直接的な影響はほとんどない。それこそが、日米の間で北朝鮮をめぐって国益の非対称性を生み、日米同盟が揺るぎかねない状況を創り出しているのである。
北朝鮮が核兵器を保有しても、米本土に届く長距離ミサイルがなければアメリカにとって直接的な脅威とはならない。では、なぜアメリカが北朝鮮の核兵器保有に反対するのか。それはNPT体制すなわち5大国による核独占体制が崩壊し、核拡散が始まるからというのが次の理由。しかし、NPT体制の崩壊というのならアメリカだけでなく、中国、ロシア、そして英、仏も少なくともアメリカと同じ程に反対してもよさそうだが、中国、ロシアも宥和的であり、英、仏に至っては国連安保理以外では関心すら寄せていないように思える。仮に北朝鮮の核兵器を廃棄させたとしても、NPT体制はインド、パキスタンそしてイスラエルがすでに保有している現状では、破綻したに等しい。アメリカにとって、北朝鮮の核保有は望ましくはないが、米国の国益に直接影響を与える問題でないことがわかる。だからこそ1995年の第1次朝鮮半島危機以来、米国は紆余曲折はあるものの北朝鮮の核保有には宥和的だったのだ。結局のところアメリカは北朝鮮が仮に核を保有したとしても米中によって統制できるとたかをくくっているのではないだろうか。
他方、北朝鮮は核兵器を保有する限り、その軍事的影響力を政治的影響力に変えることができる。冷戦時代北朝鮮はその地理的位置からロシアや中国にとって米国が大陸へ進出する際の防波堤としての役割を負っていた。しかし、冷戦の終焉とともに、地政学的な価値は暴落してしまった。もはや地政学的価値を利用して政治的影響力に変換することができなくなったのである。北朝鮮はせかいでも最貧国の一つになってしまった。金正日政権が体制を記事しながら韓国に伍して発展するために残された手段はただ一つ、軍事力を政治力に変換して生き残りを図る以外にない。しかし、湾岸戦争で明らか
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