ミサイル防衛の無効性と核武装の有効性

 核武装反対論者の中に、核武装よりもミサイル防衛を優先すべきたという意見は根強い。その理由は、戦術、技術、世論等を総合的に判断するとやはり完全な防衛兵器であるミサイル防衛システムの構築が日本の防衛には相応しいという意見だ。
 私はミサイル防衛は技術的に完成できないと考えている。かつて米国にMDの調査にミ行ったことがある。そのときわたし質問した内容は唯一つである。それはミサイル防衛システムのコンピュータ・ソフトをどうやって書くのかという質問である。誰も答えられなかった。というよりも誰もそのようなことを考えてはいなかった。
 レーガン政権時代に今日のMDの原型となるSDI(戦略歩防衛構想、別名スター・ウォーズ計画)が計画されたことがあった。この構想が発表された時、あるソフトウェア工学者がSDIはソフトウェア光学上絶対にできないと断言し、結果的にそのとおりになった。というのもシステム全体のソフトウェアの行数が8000万行程度になると予測されたからである。これは事実上不可能な数字である。何年もかかって試行錯誤を繰り返しながら構築された銀行のオンラインシステムでさえ恐らく現在でも2000万行はいっていないだろう。試行錯誤が許されない上に、今なら一億行を突破するだろうMDシステムの複雑なソフトウェアを一体どうやって構築するのか。
 仮に機能ごとにモジュールに分割してコンピュータに書かせたとしても、問題は残る。それはコンピュータに書かせるためのソフトウェアを誰が書くのか。最終的にはシステム・エンジニアが書くしかない。またモジュールを組み合わせたて、システム全体としてうまく機能するかをチェックするソフトが必要になる。そのソフトを一体だれが書くのか。つまり命中率をたかめようとすればするほどソフトウェアは複雑になり、行数が爆発的に増大していく。このようにソフト技術においてMDが百発百中の命中率を得ることはできない。
 仮に百発百中のミサイル防衛システムでなくても、80~90パーセントでも撃墜できる可能性があれば、戦略的に相手に対する抑止力となるという議論がある。しかしMDを抑止力として考えるくらいなら核武装のほうが戦略的、戦術的にも、あるいは技術的、経済的にも合理的である。
 MDに意味があるとするなら、それは二つの理由からである。まずMDは日米の共同開発、共同運用であり自衛隊と米軍の一体化が進む。つまり日米間の信頼醸成、戦略的相互依存関係が強化され、日米同盟が文字通り一心同体となる。たたし、日本にとって問題は頭脳を米軍が握ってしまうということである。
 次に共同開発の過程でなんらかの技術的突破が期待できるということである。現在の兵器開発で技術突破が期待できるのはコンピュータ分野だけである。MD開発を通じて、量子

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Apr 19, 2007




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